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モダンスイマーズ「楽園」を観る

モダンスイマーズ「楽園」@吉祥寺シアター、20121110。4000円、90分。
http://www.modernswimmers.com/
IMG_0150.JPG
2007年初演の再演作。ただし、私自身は初見。
「これは子供の物語である。」
とフライヤー等に書きだされているように、男女5人の子どもたちの放課後数時間に起きた出来事が描かれている。ただし、出演者は子供の役を演じながらも、成人後の身なりをしている。
その姿が故に、いじめっ子、いじめられっ子、クラスのアイドル的存在など、子どもたちの立ち位置と、成人後の姿のギャップ。また、合間合間にスライドで映し出される、小学校卒業後の簡潔な人生状況説明もその変化を際立たせてくれ、その間にある彼、彼女らの人生模様を観る側それぞれで補完させるような演出なのかもしれない。
とかく子供時代というのは立ち位置が変わりやすいし、崩れやすいし、作中にも出てきた転校生という立ち位置を実際経験した身としては当時を思い起こすこともあった。
作中に出てくる男子勢は小学生時代の立ち位置とは違う方向の職業についていたり、やや転落気味の人生になっている人物もいた。ただ、肝となるのは客演の深沢敦が演じた女子生徒なのだろう。作中で描かれた数時間でもっとも人生が変わったのは恐らく彼女なのだと思う。
小学生時代の容姿は成人後の姿で演じているため想像はできないが、小学校卒業後に変化したと思われる姿と放課後の出来事が影響を与えた体の仕草は終演後に「あぁなるほど」と深沢敦の動きをみて気付かされる。それにしたって、同氏の女性の演技は自然体で、何も知らずに女性が演技していると言われれば信じてしまうかもしれないなと。

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