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演劇12:イキウメ「片鱗」

イキウメ「片鱗」@青山円形劇場、201311。4200円、1時間45分。
http://www.ikiume.jp/



初イキウメはホラー作品。とある町の十字路向かいに住む人々。父娘家庭が引越し挨拶をし、ホームパーティと、良好な関係を感じさせる地域だったものの、1人また1人と狂っていく。
セリフがほぼなく、他のキャストと会話的な交わりがなかった男役の手塚とおるの異形な存在感。人の感情を表した水の存在も重い。
また、狂いを生じる人々の「許さない」という発言は主語がない。このため、何に対しての憎悪、怒りなのか分からず、ただただ「許さない」という言葉は受け取る側に何とも言えない怖さと狂いを与える。
そしてこの十字路に住まう人々を狂わせた原因となる人物も呪いという重荷を背負って各地を転々と、結果的に呪いで周囲の人々を狂わせながら過ごしていた。
穢れや清め、不浄と言った要素もあるのだけれど、その狂いの発生源と今後も続くのではないかという結びは何とも言えない重さを感じさせるのに充分だった。
次回本公演「関数ドミノ」はシアタートラムで2014年5月25日~6月15日。
作・演出:前川知大
出演:浜田信也、安井順平、伊勢佳世、盛隆二、岩本幸子、森下創、大窪人衛、清水葉月、手塚とおる

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