“人魚”の正体とともに明かされる時代を描く野田地図「逆鱗」:舞台芸術02

野田地図「逆鱗」@東京芸術劇場プレイハウス、約2時間15分。201602、9800円。
http://www.nodamap.com/gekirin/
http://www.geigeki.jp/performance/theater108/
野田地図「逆鱗」

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「パンドラの鐘」に近い印象

会員限定のチケット先行予約でシステム障害のあった今回の公演。救済策として、障害対象に遭い、チケットが購入できなかった会員(そのうちの1人が私)に対して、優先チケット枠やe+発券手数料無料、電話料相当分(?)としてQuoカード送付があり、野田地図事務局かe+のどちらが原因だったのはさておき、完全に原因がはっきりしているときはこういう対応がとられるのだなぁと思ったのは数カ月前。

初の2階席は左翼手前の中央寄りで思ったより見やすく、今作の「逆鱗」をしっかりと俯瞰した状態で観ることが出来ました。2015年に再演された「エッグ」とは異なり、音楽的要素はなく、個人的に目についた差異点はイデビアン・クルーの井手茂太氏が振り付けを新たに担当した点でしょうか。雰囲気としては、初めての野田作品となった「パンドラの鐘」に近い印象を持ちました。

さて、ストーリーとしてはパンドラの鐘やエッグと同じ時代を話が進むに連れ、感じさせられます。人魚というアンデルセン童話としては可愛らしさ、綺麗さを感じさせる存在が、本作ではその生まれた理由、若いものが先立つことがなぜ良いとされるのか等々、前半ではおぼろげにしかわからなかった意味がある時点を境にハッとすべてが明らかになります。

言葉遊びやそのハッとさせる展開は近年みた野田地図作品では個人的にもっとも印象深い一作となりそう。時代に流されてしまった人々と、その時代を敷いた人々同士での責任の所在なさ、などなど。また、瑛太と井上真央もMIWAの頃から役者として大きく成長しているのを実感させられます(井上真央はパンフ上でMIWA時代の振り返りも)。

余談ですが、パンフレットには野田秀樹とさかなクンの対談も。さかなクンの口語がうまく紙面で再現されていたので思わず声が聞こえてきてしまった(笑)。

次回公演は2017年早春。

作・演出:野田秀樹
出演:松たか子、瑛太、井上真央、阿部サダヲ、池田成志、満島真之介、銀粉蝶、野田秀樹
戯曲収録。