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演劇13:モダンスイマーズ「死ンデ、イル。」

モダンスイマーズ「死ンデ、イル。」@ザ・スズナリ、201312。3000円、1時間45分。



2013年ラストの観劇はモダンスイマーズ。新劇団員として女優を迎え、チケット代を3000円に落とし、さらにはホームページ等も刷新と、新たなチャレンジを経て上演されたのが本公演。
東日本大震災、そして福島第一原発事故によって、浪江町から二本松市に住む必ずしも関係が良好ではない叔母の家へと居住を移すこととなった女子高生の七海と姉の咲、義兄の幹男。しかしながら、主人公の七海は劇中には登場するものの、失踪した形となっている。
そして、その失踪の理由を探ろうとルポライターの古賀が七海と関係がある人物にビデオインタビューをするところから始まり、震災・原発事故による避難によって垣間見えた七海を取り巻く人々の内面が徐々に炙りだされていく。
作中に1年経てば色々変わるというようなフレーズがある通り、人々の生活は1年もあれば何かしら変化を生じるものなのは間違いない。本作の場合、避難によってそれぞれの内面や欲望、嫉妬、嘘が炙りだされる形になったものの、だからといって単に震災や原発事故の影響による変化を描いた作品と分類するのは難しい。それはやはり、人間関係はどういう理由にせよ、永遠に変化せずに進むことはありえないのだから。
一部キャストを入れ替えたWキャストで上演がスタートしたものの、途中で一方で取りやめた理由は気になったものの、それでも今年最後に観ごたえのある一作を観ることができて良かった。戯曲が出回るようならば、改めて読んでおきたい。
次回公演は2015年。
作・演出:蓬莱竜太
出演:古山憲太郎、津村知与支、小椋毅、西條義将、坂田麻衣
客演:松本まりか、西井幸人、宮崎敏行、高田聖子

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