人の滑稽さを感じたモダンスイマーズ「悲しみよ、消えないでくれ」:舞台芸術02


モダンスイマーズ「悲しみよ、消えないでくれ」@東京芸術劇場シアターイースト、約1時間55分。201501、3000円。

http://www.modernswimmers.com/
http://www.geigeki.jp/performance/theater077/

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人の滑稽さが炙りだされていく

2015年の演劇1作目はモダンスイマーズ。2年前に他界した内縁状態だった恋人の実家である山小屋に居候する男と、妻の父親と妹、それに学生時代からの仲間から、山小屋に荷物を運び入れる歩荷(ぼっか)の夫婦たちが登場人物。

前回公演で新加入した若手女優は退団し、代わって生越千晴が新加入。そこにでんでんのほか、今藤洋子、伊東沙保が客演として参加した一作。舞台は山小屋を模し、奥が入り口で客席側に向けて大広間がある造り。客席はこの舞台をコの字に配置して形成されていた。

序盤は恋人を失った古山憲太郎演じる新山忠男を中心に、彼が語る内容とその違和感を感じさせる。ただ、彼の嘘や実際が暴かれる中で、父の杉浦寛治(でんでん)と娘で恋人の妹である梢(生越千晴)を除いた大人たちの嘘と本音と建前が見えてくる。

人が成長するにつれ、ある事柄を自分の良いように表に出す、という汚さというかズルさというか処世術さを滑稽さであぶり出しつつ、内容が展開していった印象。無口な妹・梢は傍観者ではなく、その実、姉の恋人だった男のズルさを知っていて、実は周囲を見渡すように様子を伺っていたとも感じられる。

なんとも言えない重さで終わっていた、ここ何作かと比べて、人の滑稽さが炙りだされる様がなんとも面白く、そこにでんでんを始めとする客演陣が良い味を足していたように思う。生越千晴の存在も良い味を出していて、次回公演以降の活躍も楽しみ。

作・演出:蓬莱竜太
出演:古山憲太郎、津村知与支、小椋毅、西條義将、生越千晴、今藤洋子、伊東沙保、でんでん

モダンスイマーズ「死ンデ、イル。」@ザ・スズナリ、201312。3000円、1時間45分。