シネマ歌舞伎「野田版 桜の森の満開の下」を新宿ピカデリーで観てきました。チケット代は2,100円。
歌舞伎役者が演じる「贋作 桜の森の満開の下」
「桜の森の満開の下」は坂口安吾の短編小説。今回、鑑賞した「野田版 桜の森の満開の下」は、作・演出の野田秀樹が手がけた舞台「贋作 桜の森の満開の下」がベースとなっているため、坂口安吾作品に当てはめるのであれば「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」の2作品がストーリーの下敷きになっています。
舞台版は2001年公演と2018年公演を観ていたのですが、「野田版 桜の森の満開の下」は歌舞伎作品。テレビで何となく流し見した程度でしか歌舞伎を観たことがない私としては、どの程度、歌舞伎が理解できるか不安をいだいていたのですが、個人的な感想としては限りなく舞台寄りの演出です。
耳男の中村勘九郎、夜長姫の中村七之助をはじめ、歌舞伎に詳しくない私でも知っている人物が多い役者陣。その中にあって、ひときわ目がいったのが、エナコ役の中村芝のぶ。所作や声、見た目はもちろん、雰囲気の醸しがたすらも女性にしか思えず、女形の凄さを改めて感じた次第です。
そして終盤には、2001年版の舞台でも使われたプッチーニの歌劇「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」が流れ、そのシーンとともに強いインパクトを与えます。
上映期間の終了間近だったため、新宿ピカデリーではパンフレットが売り切れていたのが心残り。松竹の通販ではまだ在庫があるようなので、購入欲と送料のプラスオンを天秤にかけてもう少し悩みたいと思います。
なお、4月28日現在、東劇では延長上映されているので、関心のある方はぜひ行かれることをオススメします。
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