椎名林檎作曲「望遠鏡の外の景色」がリオ五輪引き継ぎ式の楽曲で使われていた

安倍マリオで関心が惹起されたリオデジャネイロオリンピックの引き継ぎセレモニー「トーキョーショー」。帰宅後、タイムシフト再生してその映像や中田ヤスタカっぽさを堪能しつつ、椎名林檎っぽい楽曲だなぁと思ったら、後半に流れた楽曲の原曲が毒苺の「望遠鏡の外の景色」で驚き。
毒苺

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「エッグ」の劇中歌で使われた「望遠鏡の外の景色」

この毒苺。2012年に初演、2015年に再演された野田秀樹作・演出の「エッグ」に登場する深津絵里演じる歌姫・苺イチエの楽曲を収録したアルバム。作品自体は妻夫木聡、仲村トオルのトリプルキャストで、橋爪功や秋山菜津子、大倉孝二、藤井隆、野田秀樹が脇を固めた作品です。

初演時 (2012年)の公式サイト
http://www.nodamap.com/productions/egg/index.html
再演時(2015年)の公式サイト
http://www.nodamap.com/egg/

テレビ放送された以外は映像化されていないものの、スポット映像はNODA・MAPのYouTubeチャンネルで今も公開されています。

スポット映像のナレーションや構成自体は作品の雰囲気とは異なりますが、最低限のヒントとして謎のスポーツ「エッグ」でオリンピックを目指す若者たち、歌姫、そして「ニッポン!ニッポン!」という場の熱狂、そして歪みに隠されたある事柄へと差し迫る予兆を指し示しています。

具体的にどういう作品だったかという劇評についてはNIKKEI STYLEの下記記事が詳しいです。

NODA・MAP「エッグ」 イメージが跳躍する演劇的交響楽
http://style.nikkei.com/article/DGXBZO45942470Q2A910C1000001

話を戻して、「望遠鏡の外の景色」の楽曲自体は椎名林檎「逆輸入~港湾局~」にてセルフカバーされていますが、原曲自体も楽曲配信されているようです。

また、上演時にはボーカル楽曲を含めてパンフレットとともにCDも販売されており、「望遠鏡の外の景色」に相対する曲名としては「望遠鏡の中の記憶」という曲も。これは深津絵里演じる苺イチエのボーカル曲です。収録曲順にタイトルを書き記していくと

1.別れ1940
2.The Heavy Metallic Girl
3.喪失
4.別れ1964
5.What did U say?
6.望遠鏡の中の記憶
7.望遠鏡の外の景色
8.別れ2012

で作詞のすべては野田秀樹が担っています(作曲と助作詞は椎名林檎)。ちなみに上記のうち、「The Heavy Metallic Girl」に関しては先程と同じく、YouTubeにPVがアップされています。深津絵里自体、かつては歌手だったこともあり、歌唱力は素晴らしいです。ちなみに深津絵里自体はテレビドラマより映画や舞台でみるとその演技力の良さが伝わるので、1度足を運んでみることをオススメします。

また、同様に野田秀樹と椎名林檎によるインタビュー映像も公開されています。

野田秀樹の作品はと言うと、巧みな言葉遊びも注目されますが、かつての戦争、そして天皇の戦争責任に踏み込む作品も。そして「エッグ」もその1つであり、スポーツやオリンピックに対する熱狂、狂気が後半にガラガラと崩れ去り、人を人の名で呼ばず、マルタという隠語で人体実験を行うシーンが現れます。そして、ラストには責任を逃れる者、代わって負わされる者の悲哀が描かれます。

作品パンフレットには「知った気になっている過去」と題して、野田秀樹が冒頭文を書いていますが、そこには「第二次世界大戦は『知った気になっている過去』であり、日露戦争は『どうでもいい過去』である」との一文もあります。

そして「望遠鏡の外の景色」という曲がリオデジャネイロオリンピックから東京オリンピックへの引き継ぎセレモニーで使われたという点は、「エッグ」を観た私やTwitter上にいる人々にとってはどういった意図が内包されているのかを思わざる得ません。少なくとも2020年の東京オリンピック開催時に日本、そして世界はどういう変化が生じているのか、「知った気になっている過去」と現在を含めて考えさせる部分ではあります。

なお、トーキョーショーのノーカット映像は「NHKリオデジャネイロオリンピック」上で配信されているので、改めてじっくり見たいという人は公開期間が終わらないうちに確認してみると良いかもしれません。

【ハイライト】2020へ期待高まる!トーキョーショー
http://sports.nhk.or.jp/video/element/video=30468.html